DOCK MASTER'S ROOM!

新橋DRY-DOCK サトウBlog(時々、KEEL'S BAR HOUSE出張)

Column

じわじわっとサワーエール!

すっぱい酸っぱいビール!?
日本でもこれがだいぶ話題にあがるようになってきた。っといってもまだまだ一般的ではないが。。。

以前から、ベルギーブリュッセル近郊のランビックや
フランダース地方のレッドエール・ブラウンエールは輸入されていて、飲む事ができた。
ドライドックにおいても、4年前のオープン時から、冷蔵庫の隅のほうより時々登場しているのが、
カンティヨンやローデンバッハ、ドゥシャス・ド・ブルゴーニュなどの銘柄だ。
もちろんそんなによく出るわけではないけれど、メニューから消せない根強い人気があり、
飲んだことのない人にとっては、驚きを与えられるビールでもある。
これらは、主に木樽などに棲息する乳酸菌や酢酸菌によって酸味をつけられるわけだが、
例えばランビックなんかはバクテリアや野生酵母も含めると、70〜80種ほどがその発酵に
寄与しているという。
それだけ複雑な香りと味わいを生むのもこの手のビールの魅力といえるだろう。

ビールにおける"酸味"でいうと、「ポーター」という黒色エールの存在も忘れてはいけない。
このポーターの起源は、ペールエールとブラウンエール、そして古くなって酸っぱくなった
ブラウンエールの三種を混ぜ合わせた「スリースレッド」にあることは知られている。
ロンドンで絶大なブームを巻き起こし、その後、ギネスへの流れを汲むこのミックスビールが
どのようなものだったか、果たして今飲んで美味しいのかはまったくの謎だが、
多少なりとも酸味が強かったことは容易に想像できる。
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最近では、アメリカのクラフトブルワリーがサワーエールをよく造っている。
日本へはあまり入ってきていないが、日本のビアギークたちはそれらを個人輸入したり、
土産に持ち帰ったりして、楽しんでいるようだ。
そして、友人でもあるレヴェレーションキャットのブルワー・アレックスもそんなベルギーや
アメリカのサワーエールに取りつかれた一人である。
ローマでビールを楽しむ彼の家にはたくさんのサワーエール(Russian River Consecrationとか
Supplicationとか)が置かれていたし、自分でランビックを樽ごと買いつけたり、
ブレンドしてサワーエールを造ったりしている。
先日、久々に連絡してみると、日本から持っていった杉の木のチップはこのサワーエールに加えたとか。
しかも苺といっしょに。。。イチゴと杉!?
このStrawberry Cedar Wood Sour Ale -ストロベリースィダーウッドサワーエール- は、
例のミカンランビックとともに秋には少量だけドライドックに届く予定。
サワーエール好きのサトウ的にはワクワクなのです!

こんな酸っぱいビールたちをまだ試したことのない方、まずはチャレンジしてみては?
ホントに酸っぱい。。。でもその奥にある様々な香りと味わいにおおいに惚れ込む人も
きっと少なくはないなずだ。

ノンアルコールビールのお話し

ここ最近、スーパー・コンビニのビール売り場の一角に堂々と並ぶノンアルコールビール。
サトウは買う機会が非常に多い。
先日、ウォールストリートジャーナル アジアの記事にコメントしたのもこの手のお話だった。

The Wall Street Jounal Asia "Kirin Tries Sober Pitch"

http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703386704576186193168106416.html?mod=WSJASIA_hps_MIDDLEThirdNews

いまも冷蔵庫に3本入っている。
がんばって、休肝日を作ろうとしているサトウ的には常に入れておきたい。
なぜか若干の罪悪感を感じながらも、朝だろうが、仕事前だろうが、ちょっと喉が渇いたときなら、
すぐにプシュっとやる。
ひとつの大きなマーケットになっているゴルフ場でも、多分に漏れずよく飲む。
車の運転がある場合はもちろん、昼時にガブガブたくさん飲んでも午後のスコアが崩れることがない。
まあ崩れるほどいいスコアを出したこともないが。。。

味に関しては賛否両論だろう。
まず大きくわけると、アルコールが1%未満でありながらも少量含まれるものと、
完全にゼロ(0.00%未満)のものとにわけられる。
前者は酵母による発酵を行っているので、アルコールを完全に排除できない。
味わいとしては風味やコクを楽しめるが、飲酒運転基準に引っかかる可能性もある。
最近の流行は後者の方で、アルコールをまったく含まない製品を各社が出し始めた。
発酵特有の風味は香料などを用いて再現している。
昨年、日経プラス1一面、なんでもランキング「ノンアルコールビール」にテイスターとして、
参加したときに感じたことだが、個人的にはこの二つは別ものとして考えたい。
アルコール含有と味わい(風味)の大きな違いからだ。同じ土俵では比べられないかなと思う。
うまく飲み分けてつきあっていくといいだろう。
ただ、日本の技術をナメてはいけない。きっとどんどん美味しくなっていくはずだ。

とはいえ、「喉の渇きを潤すためのビール」であれば、その代りは十分にこなす。
かつカロリーまでゼロなんてありがたい。
ビール屋だから、発泡酒や第三のビールやノンアルコールビールなんて飲まないと思われがちだが、
このようなものは必ずチェックしたいし、美味しければ買っていきたい。
そこに妙なポリシーなどまったくをもってない。
最後に消費者として不満と言えば、値段はちょっと高い。
日本のビールや発泡酒の値段が高いのは税金ではなかったか?と思ってしまう。
研究開発費や、未成年者が買いにくい値段設定とかいろいろあるのだろうが、
350ml缶で¥145とかだから、発泡酒と同じくらい。
もうちょっと安いと嬉しいなぁ。。。

ビアテイスト我が家で試飲

ローマ旅行記 vol.2「Brasserie 4:20 ①」

イタリアの酒事情を考えたとき、当然のようにワインを想像するだろう。
もちろんそれは間違いない。
ただ、シングルモルトスコッチウィスキーにおいては、例えばマッカランがイタリア向けの
オフィシャルレーベルを出していたし、イタリアのボトラーズ業者も存在する。
やはりイタリアの人は陽気で、本当におしゃべりで、かつ好奇心旺盛なのかな。

『そんな彼らにビールが合わないわけがない!』

そう思わせてくれたのが、この素晴らしいBeer Placeだ。

Brasserie 4:20  ブラッセリー・フォートゥウェンティー
http://www.impexbeer.com/index.php?option=com_content&view=article&id=60&Itemid=75
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旧倉庫を改装して作ったという空間はやや暗く、壁は青い照明が照らされている。
ミステリアスな雰囲気とでもいおうか。
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そして、すぐに目を見張るのはシルバーに輝くタップとその奥に並ぶハンドポンプだ。
通常のガス圧しタップ(ビールを注ぐ蛇口) は珍しく上から吊るされているタイプ。これが15本ほど。
そして、圧巻のハンドポンプが12本!これらを目の前に飲めるカウンターは特等席だ。
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ビールはバランスよく各国のクラフトを揃えている。
イギリスからビター、ESB、ポーターやオールドエール、ドイツからピルスにヴァイス、ベルギーの
ブロンドエールやトリプル,ランビックなど。。。択べない。
そして、オランダのDe MolenやデンマークのMikkeler、アメリカのStoneといったものも含め、
伝統的なスタイルから気鋭の新スタイルまで幅広いラインナップを誇る。
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こんな素晴らしいビール空間で、ローマに滞在した8泊中7回も入り浸ることになる。
そして、早くまた訪れたい。。。そう思わされてしまう。そんな場所なのである。

つづく。。。

毎年恒例 「ビアライゼ '98」 参り

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新橋のビール屋といえば、まだまだSDDでもCAでもなくビアライゼ '98。
新橋5丁目で十年。移転した2丁目で三年目を迎える伝統あるビール屋だ。

八重洲にあった名店「灘コロンビア」のマスター・新井徳司さんの唯一のお弟子さんだった
松尾光平さんが1998年に開業された。
氏が高校一年生の時から、17年働いたという灘コロンビアが閉店となり、
譲り受けた旧式のディスペンサーは今でもバリバリの現役。
レーン(パイプ)の直径9mmというのはドライドックの1.5倍の太さにあたる。
出てくるビールの流量を見てみると、水道の蛇口をおもいっきりひねったときのようだ。

注いだビールの泡にマッチ棒が立つというパフォーマンスが有名だ。
しっかりと炭酸ガスを抜き、モチッとした綺麗な泡をつくり出すことで可能になるのだが、
これは熟練のワザに加え、ビールの種類によるところも大きい。
あまり話題には出ないが、ビアライゼ '98のビールは「アサヒ樽詰 生」(通称:マルエフ)
と呼ばれ、アサヒ吹田工場でのみ製造。もちろん商品カタログにもウェブサイトにも載っていない。
スーパードライが出る前のアサヒのメインビールだったようだ。
(正確には現在のレシピは「ほろにが」?)

泡をつくり出すのは、ホップ由来の苦味成分とタンパク質であるため、スッキリした味わいの
「スーパードライ」より、コクも苦みも多い「マルエフ」の泡はしっかりする。
加えて、ディスペンサーがすごい勢いでビールを送り出すため、グラスにぶつかったときに
よりきめ細かな泡が生まれるのだ。

・・・・・・・・・・・

オープン以来、この十数年、未だ自分以外の人にビールを注がせることはない。
それが松尾さんのスタイルだ。

カウンターの中で直接、ご指導いただいたことはないが、いつも色々なことを
教えていただき、お電話やハガキなどをくださる。
年賀状に「今年も美味しいビールを注いでいこう!」とメッセージをくださった時は感動した。

ビアライゼ移転時のイベントで「注いでみなよ!」と言っていただいたこともあったが、
超恐縮すぎて丁重にお断りさせていただいたのは二年ほど前の話し。
そういうことは積極的にやる方だと自分でも思うが、さすがに遠慮した。
そのとき、そのカウンター内で松尾さんと並んでいたのは、
もう一人のビール注ぎ名人「銀座ライオン」の海老原さんだったのだから。。。
まだそこに立つには明らかに早かった。

なかなか出向けないビアライゼに年末のご挨拶に行くのが毎年の恒例になっている。
ドライドックのスーパードライとはやや違うベクトルのアサヒビールを堪能しつつ、
一年を振り返る、そんな12月の第三土曜日だった。

思い出のスタウト

2003年5月某日。
若かりしサトウ青年は銀座のとあるマンションの一室にいた。
会社事務所として使われていたその部屋では、バーテンダー採用の面接が行われていた。
そこに面接される側として訪れたのだった。

それが、僕と、開店を一ヵ月後に控えたKEEL'S BARとの出会いだ。

大学二年生の時からノメリ込んでいたバーテンダーという仕事。
次のステップをと地元の店を辞め、新天地を求めていた。

そこで、ビールを美味しく出すのがメインの店だと言われる。
もちろんドライドックとは違って、BARなのでフレッシュフルーツを使ったカクテルやウィスキー、
ワインなどもいいものを出すのだが、ビールに対して、特にドラフトビールを注ぐことを
"ただ" 液体注いで、泡乗せるだけの作業としか思ってなかったサトウは、
実はあまりオモシロク思っていなかったりしたものだ。
バーテンダー、カクテル創ってナンボ。とにかくシェイカーを振らせておくれ。
いや (ビールも嫌いじゃないし) 、Bassペールエールとか結構飲みますけどね。

とは心でちょっとだけ思っていた。

面接のおじさ、、、いや、社長には、
「いやー、ビール好きっす。Bass ペールエールとかよく飲みますし、美味しいと思います。」
とか答えていた訳です。

すると、どうしたことか、社長は冷蔵庫からビンを取り出してくる。

「???」

しゃちょさん「これ飲んだことあるか?」

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さ「アサヒ・スタウト??いえ、ないっす。。。」

しゃ「飲んでみるか?」

さ「えっ?。。。は、はい。。。」

(断れるはずがなかろう)

空きっ腹に流れ込んで行くアルコール 8%の炭酸飲料は、胃の中で暴れ、
サトウの顔は一瞬で赤紫色へ。

アサヒ スタウト
http://www.asahibeer.co.jp/products/beer/stout/
シェリーや紹興酒、醤油、そしてレーズンのようなドライフルーツをも思わすスバラシイ香り。
口に含むとしっかりした甘味、酸味、そしてロースト香が広がり、アルコールの温かみを
どっしりと感じる。とても複雑でエール特有のフルーティさが心地よく、
そして、その濃厚な味わいを苦みが引き締める。少し高めの温度でゆっくりと味わいたい。
大阪、吹田工場で専用の設備を使い、年に数回のみ醸造されるとのこと。そのへんの酒屋では
見かけることのない貴重なビールと言える。
ビアハンターこと故・マイケル ジャクソン氏も「スモウスタウト」と讃え、著書のなかで絶賛。


。。。なんてことを若造が知る由もなく、あえなく撃沈。。。
気づけば新橋駅にいたものの違う方向の電車に乗り、家に着いたのはかなり遅い時間だった。

今でこそ、面接で自分のことを気に入ってくれて、イイものを紹介したいという社長の優しさで
あることを理解するも、この本当にスバラシイ黒い麦酒との出逢いは、
文字通り、かなりヘヴィでほろ苦いどころの話しではなかったのだ。

時に7年半前のことである。

シンガポールのビール事情

といえるほどたいそうな話しではないのだが・・・
シンガポールで体験した"Beer experience" を簡単にまとめたいと思う。

まず、今更ではあるが、シンガポールという国はとても興味深かった。
多民族国家(中華系、マレー系、インド系など)であり、イギリスの植民地でも
あったため、多言語が飛び交う。
シンガポリアンの友人いわく、大抵の人は2〜3カ国語を話すことができるという。
ご存知の通り、チューイングガムはこの国に持ち込むことができないし、
ゴミのポイ捨てに対しても厳しい処罰があると聞く。
なんかすごい国だ。。。

さて、ビールといえば、「Tiger タイガー」が有名。
2d1e0cef.png

多分にもれず、スッキリとしたピルスナー。一年中蒸し暑いこの国には
欠かせないビールといえるだろう。どこでも見かけるナショナルブランドである。
滞在したほぼ毎日、これをグビっとやったのはいうまでもない。

金曜のプラクティスセッション終了後は友人に連れられて、
ドイツのビールメーカー「Paulaner パウラナー」の直営店に向かった。
若者向けのカッコいいデザインの直営店は、本場ドイツ・ミュンヘンでも
見なかったように思う。

Paulaner Brauhaus Singapore パウラナー ブロイハウス
http://www.paulaner-braeuhaus.com/singapore

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調べてみると、中国に多数の同店舗が展開されている。
ビールはそれぞれの店ごとに製造。
9月末ということもあり、オクトーバーフェストビールが造られていた。
迷わず注文!芳ばしいモルトの香りと甘みが深夜0時を過ぎた我々には
優しかった。

日本で飲んだ後のラーメンがあるように、こちらでは肉骨茶(バクテー)
という料理で〆るらしい。
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豚の骨付き肉(スペアリブ)を漢方のスープで煮込んだ鍋料理である
このバクテーは、さっぱりしているがしっかりダシの出た美味しいスープが
クセになる味わい。深夜1時過ぎ・・・並んででも食べたかいがあった。

翌日、友人に連れて行ってもらったのは、川沿いに立ち並んだ飲食店が
オシャレな地域。その中にあるこの大きな建物はブルーパブ&レストラン!

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BREWERKZ
http://www.brewerkz.com/

かなり大きな醸造設備をもつブルワリーで、たくさんの種類のビールを
造っていた。皆はパイントでお気に入りのものを。
私はサンプラーでフルーツエール(チェリー)、ダークラガー、IPA、ピルスナー
をチョイス。味はそこそこで、そこまで抜群にウマイというほどのことは
なかったが、ここまで多品種を楽しみながらワイワイと飲める場所というのは
貴重だ。

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この国でもホームブルーイング(家庭での酒造り)が合法なので、
気軽にビールの自家醸造を楽しんでいるらしい。
今回、大変お世話になった友人も自分で様々なビールを造っており、
しっかりビール談義にも華を咲かせてきた。かなりマニアック!
まわりの友人もそうとう詳しい。。。

そういう意味では日本より、数段先を行くビール文化を持っているの
かもしれない。
本来のビールがもつ良さであろう気軽さを肩肘張らずに楽しんでいるように
見えた。
それは、よいものは抵抗無く受け入れ、推し進めようとするお国柄や
日本とは違う税制などのインフラもあるとは思うが、
無邪気で優しく、人生を楽しもうとするシンガポールの人々をあらわしている
ような気がした。

さすが、一人当たりのGDPで日本を抑え、アジアNo.1の国である。

日経PLUS1 「なんでもランキング」でビール系飲料を思う

日経新聞の土曜日別刷

日経PLUS1(日経プラスワン)
http://www.nikkei.co.jp/p1/

先週土曜日の「なんでもランキング」は、BBQ向きビール系飲料ということで、
そうそうたるメンバーの中に加わり、サトウも全25種のテイスティングに参加してきました。
(ちょうど一週間前の土曜日のこと)

これからの「夏」「BBQ」の時期に合わせて、あまり冷えていない状態でも美味しく飲める、
様々な食材に合わせやすいというようなことを想定したテイスティングでしたが、個々の好み
が反映されるという嗜好品を判定するというのはなかなか難しいものがあります。
25種を同じ土俵で順位付けした我々の結果に反し、結局のところ、"発泡酒・第3のビール"
という枠と、"ビール"枠に分けられてランキング付けされてました。
これではあまり意味がないのでは?とも。。。思うものの、まあ、"ビール" が
"発泡酒・第3ジャンル"に圧勝してしまうような結果だったのかな。
(そういうキャスティングだったので・・・)

ということで、日曜日の今日は家でダラダラしながらAB社ビール類飲料を飲み比べをしてみました!
20090628182706よく取材やお客さんに、普段どんなビールを飲みますか?
と聞かれます。
イメージ的には、輸入ビールとかクラフトビールばかり
飲んでいるように思われますが、仕事が終わって、
うちに帰り、ご飯食べながら飲むのはやっぱり缶ビール
とか発泡酒・新ジャンルですよ( -д-)ノ

(ぶっちゃけ)メーカー問わず、新製品は必ずチェックしてます。




なかでも、最近のサトウ的お気に入りには、トヨエツのCMでおなじみの

Asahi COOL DRAFT クールドラフト<生>(写真 一番右)
http://www.asahibeer.co.jp/cooldraft/

安くて、のど越し爽快!
「ぐびっ!ぷはーっ!」とやれるのはクラフトとは一味違う一つの魅力。
皆さんよくご存知でしょうが、これも日本のビール文化であり、これが大半を占める
というのが現状です。

Guinness(ギネス)というかの有名なビールが、アイルランドで生まれたのは、
「ポーター」というロンドンで人気だった濃色(黒色)スタイルをアーサー・ギネスという人物が
「スタウト(ポーター)」という新スタイルとして節税ジャンルで造ったことから始まります。
当時、英国統治下のアイルランドで麦芽(モルト)にかけられていた税金を避けるために、麦芽化していない(ロースト)大麦をつかったという背景は、実は今の日本の発泡酒と非常に似ているのです。
こうして、ギネスは世界的ブランドになったのに、日本の発泡酒はビールと別物として捉えられ、
けっして認められないのはちょっと悲しい気もするのです。

ビール文化 それぞれの事情 4 「アメリカ -自由と多様性-」

GWに行ってきたアメリカ西海岸の旅。
初めて訪れたアメリカという国(ハワイは除いて...)で感じたことをまとめてみたいと思う。

California Hoppy Tour '09
http://www.shimbashi-dry-dock.com/archives/cat_10038820.html

自宅でのビール(酒)造りが合法なアメリカ(*日本では違法)では、ホームブルワー達が実に様々なハンドクラフトビールを造り、新たなスタイルがどんどん生まれ続けている。
その延長にマイクロブルワリーという存在があり(あるように思う)、ホームブルワーはアイデアを持ち込んだり、逆に家庭で造られたビールのコンテストをブルワリー側が開催してサポートしてみたりと、気軽に独自のビール文化を楽しんでいる。

日本においても、もはや定着しつつある「I.P.A.(India Pale Ale:インディア ペールエール)」のラガー版、「I.P.L.(India Pale Lager)」や「Black Pilsner」という言葉をサンディエゴで聞いた。なんて自由な発想なんだろうか・・・

IPAといえば、18世紀、かつてイギリスから植民地だったインドにペールエールを運ぶ際、赤道を通過するという灼熱の環境だったため、ビールが劣化してしまった・・・という事実が関係する。このような過酷な条件で劣化しない強いビールを造ろうとしたイギリス人が、防腐効果のあるホップを多量に添加し(苦味をつけ)、アルコール分を高めにして醸造を行ったというのが起源だ。
そして、最近になり、アメリカのクラフトブルワリー界でIPAはリバイバル的にヒットすることになる。とはいってもそこはアメリカのテイストが大きく加わった別モノ。。。興味のある方はドライドックにもたくさん並んでいるのでぜひお試しを。
いまやホップを効かせたビールは流行以上の存在になっている。カスケード種に代表されるグレープフルーツのようなシトラス香をもつアメリカ産ホップはフルーティでとても心地よく爽快。ホップのもうひとつの役目である苦味も強烈だが、モルトの甘味を伴ったとき、この甘苦バランスがクセになる。

このような新たなスタイルを作ったのは、やはりお国柄によるものだと感じた。
様々な人種やルーツが入り混じった複雑な文化といえる「アメリカ」で、イギリス系、ドイツ系移民といったビールになじみの深い人たちが基礎をつくり、その後さらに流入してくる色々な文化の融合。。。そうした環境が新たな定番を作り、過去や伝統にとらわれない自由な志向となったのではないだろうか。
それがアメリカの文化であり、ビールにおいてもまたしかりのようだ。
ヨーロッパがそれぞれの地域に根付いた伝統を重んじて、昔から今まで同じビールを造り続けるのであれば、斬新なアイディアとチャレンジで、新たなビールの世界観を創りあげているのがアメリカなのである。
インドの向けのペールエールが歴史的な流れからIPAと呼ばれるのに、ホッピィでアルコール高めなラガーをIPLとしてしまったり、黄金色だからこそのピルスナーを勝手に黒色にしてしまったり。。。こんな議論は彼らにとってどうでもよいのだろう。
こうして新たな価値観を生んでいくのだ。無論、どちらが良い悪いの観点ではない。ウマイかどうかなのだ。

(一方のヨーロッパ。。。というか日本を含め世界的な傾向としてビールが飲まれなくなっているのは憂うべきこと。)

1970年代から今日に至るまで、バドワイザー、クアーズ、ミラーのような、いわゆる"水のような"ライトラガーがたくさん飲まれている中、このような非常に興味深い(ある意味マニアックな)クラフトビールの世界が日本と一桁違うシェアで存在する。

追記 : ビール文化 それぞれの事情 3

なんとタイムリーに昨日の朝日新聞に「第3のビール」についての記事が
出ていましたね。。。

僕の解釈で第4のビールと書いた点が、実はどうやら曖昧なようです。

ビール ⇒ 第1のビール(あたりまえ)
発泡酒 ⇒ 第2のビール
それ以外 ⇒ 第3のビール

麦を原料に使わずにえんどう豆や大豆、とうもろこしで造られるビール風飲料
(その他の醸造酒(発泡性) 

がまず生まれて、次に

発泡酒に麦から造った蒸留酒をちょっとだけ加えた新ジャンルが出ました。
(リキュール(発泡性) 


サトウ的には、後者を第4とした解釈でしたが、これは必ずしも正しくないようですので
追記しておきます。
どうやらビール・発泡酒以外は、両方とも第3のビールとする解釈もあるようです。

ビール文化 それぞれの事情 3 「発泡酒という考え」

自宅で缶ビールを飲む。。。果たしてそれはビール?

先日(4/1)、ふざけて店で発泡酒を出します!なんて書きましたが、
いまや、美味しいビールが溢れています。
いわゆる発泡酒やら第3のビールやら新ジャンルやら。。。
以下の細かい酒税法なんか読みたくない人がほとんどだと思うので、
読み飛ばしていただいて結構ですが↓ 一応、定義を載せます。

☆ビールの定義 (酒税法第3 条第1 2 号)
・麦芽・ホップ及び水を原料として発酵させたもの
・麦芽・ホップ・水及び麦その他政令で定める物品を原料として発酵させたもの。ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の十分の五を超えないものに限る
☆発泡酒の定義 (酒税法第3 条第1 8 号)
・麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの


まあ、細かいことは色々なサイトで紹介されているので、そちらにお任せ。
(質問があればコメント欄に書くか、店に来て質問してください)

大まかにまとめると、

・麦芽使用量が3分の2以上ならビール
・麦芽以外の原料*が3分の1以上なら発泡酒(第2のビール)
・麦芽を使わなければその他の醸造酒(発泡性) 第3のビール)
・発泡酒に麦由来のスピリッツや焼酎などを混ぜるとリキュール(発泡性)
(新ジャンル:第4のビール)

*麦芽以外のビールの原料は「副原料」と呼ばれ、法律で定められている。
それは、麦、米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしよ、でんぷん、糖類又は財務省令で定める苦味料若しくは着色料。
これ以外の原料を使うと(例えば、ヒューガルデンのようにオレンジピール(皮)やスパイス類、ベルヴューのようにフルーツなど)発泡酒という表記が求められる。しかし税金は麦芽の含有率にかけられるためビールと一緒。

ということになります。
なぜこのようなことになったのか。。。

それは皆さんもご存知の通り、いかに税金を安くすませられるか!?
がテーマだからです。
あらゆる方法でビールに似た味のビールではないカテゴリのものをつくりだすことで
税金を安くして、販売価格を下げようという。。。
そしたら政府は、発泡酒の税率を上げたり。。。(いたちごっこ?)

これは日本においてニーズがあったのです。だから増え続けている。
そりゃ、各メーカーこぞって新商品を出し続けますよ。
消費者にとってもメリットであるならばいいことだと思います。

よく、
「自分へのご褒美に一杯目はビール。二杯目以降は発泡酒。」
「おれなんか、家では発泡酒だよー・・・」
なんて声を聞きます。
皆さんの意識としても、ビール風飲料へのマイナス感は強いようです。

ようは、日本のビールに対する高い税率が、こういうことを創造し、育てている。

ビール酒造組合
ビールの酒税減税に関する要望書

http://www.brewers.or.jp/activity/youbou/index.html

ビール会社各社もビジネスをしているわけですから、造らざるを得ない実情が
あるわけで、そこは当然理解をしています。

だから、批判ではありません。

しかし、そこにリスペクトされるべき文化があるでしょうか?
守っていく伝統になりえるでしょうか?

ビールを飲む若者が減っています。
父親が晩酌でかっこよく美味しそうにビールを飲むシチュエーションを
子供が見て育っていないのが原因という話しを聞きました。
そりゃそうですよね。
今の若い人たちは20歳になった時、うまいビールどころか発泡酒やら新ジャンルやら
のビール風飲料(偽者?)を飲んでいるんでしょうから。。。

このような日本におけるビール(類含む)文化が、もし誰しも望まぬ方向へ向かって
いるのだとしたら、憂うべきことだと感じるのです。

ビール一人当たりの消費量が世界一のチェコでは、
飲食店に行ったとき、涙が出るほど美味しいビールを一杯 2~300円程度で
飲めます。これは(主に)税率が低いからです。

若い人たちが、ようやく法的にお酒を飲めるようになったとき、
美味しいビールを安価で飲めたとしたら、
日本のビール離れを食い止められるかも?
Twitter
Profile
佐藤 裕介
◆ 札幌西高校卒
◆ 武蔵工業大学 工学部卒
モルトウィスキーが好きで
卒業旅行は単身イギリス.
レンタカーでスコットランド
14の蒸溜所へ!
◆KEEL'S BARチーフバーテンダ
フレッシュフルーツのカクテル
創りに傾倒!一方でビール注ぎの
おもしろさに目覚める.
◆新橋DRY-DOCK初代ドック長
イギリス, アイルランド
オランダ, ベルギー, ドイツ,
チェコ, アメリカを巡り
各国ビール文化を体験.
フレキシブルなビール注ぎを
目指す!

【店舗情報】
新橋DRY-DOCK
(しんばしドライドック)
〒105-0004
東京都港区新橋3-25-10(JR下)
TEL/FAX 03-5777-4755
<営業時間>
月〜金 17:00〜24:30
  土 17:00〜22:00
(土曜はフードが少ない)
<定休日>
日曜、祝日、第3土曜日

日本一美味いアサヒスーパードライを目指して「KEEL'S BAR」から進化!
隅田川ブルーイングを中心に全国から届くクラフトビールをはじめ、世界のドラフトビール、そして様々なボトルビールをお楽しみください!
2007.6.18 Open

DRY-DOCK...「乾ドック」
水のある状態で船を入渠して、海水を抜き修理するという、いわば船の休憩所。
「KEEL'S BAR号」は3年10ヵ月の第一次航海を終え、我が「DRY-DOCK」に入渠。その後、2010年に「KEEL'S BAR HOUSE」として、新たな航海を始めるべく、出渠した。
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